昨日の夜、私は広島から九州へ移動する必要があった。夜七時頃に用事を済ませ、西条駅方面行のバス停でバスを待っていた。なんとなく目的地までの経路を確認していたら、とんでもない情報が目に入ったのであった。
昨日私は東広島市にいた。東広島市といえば、京都の伏見、兵庫の灘と並んで日本三大酒どころと呼ばれる西条地区が有名であろう。10月中頃には「酒まつり」というイベントが開催され、駅には「酒都西条」をPRする看板がでかでかと掲げられている。また、広島大学の東広島キャンパスが位置するため、多くの大学生が暮らす街でもある。実際の印象としては、海外から来た学生と思われる人がかなり多かった。さすがは国際交流が活発な大学だなと思った。
今日、私は九州に用事があったのだ。九州のどこかということは伏せるが、書いてあることから察してほしい。当然、広島から新幹線に乗るためのきっぷを購入していた。予定では、西条駅までバスで行って、そこから山陽本線で広島へ出て新幹線に乗り換えることになっており、乗車券はその通りに買っていた。
そして昨夜、西条駅へ向かうために、バス停で10分遅れたバスを待ちながらGoogle mapで到着時刻を調べていた。すると、西条駅からJRに乗るルートが表示されない。さらには、東広島駅に行けとか、バスを乗り継いで広島駅へ行けとか書いてある。とうとうGoogleがおかしくなったかとか思っていると、どうやら違うらしいことに気づいた。山陽線が止まっている。車輪の空転の影響だそうだ。たしかに小雨が降っているような天気だった。JRの公式運行情報ページでは、運転再開は早くても21時であるとの情報が載っていた。
ここで私の前には多くの分岐が現れた。
1.一時間近く待ってさらにバスを乗り継いで広島方面に向かう
2.東広島駅へ向かう
3.とりあえず西条駅へ向かう
4.延泊
このくらいだっただろうか。しかしバスが遅れていたため、東広島駅方面のバスへの乗り継ぎは絶望的だった。さらに、広島方面行のバスに乗ると昨日のうちに目的地にはたどり着けない。延泊をするにも、ホテルはかなり財布に不親切だ。とりあえず西条駅へ行こうと思った。
西条駅には人が多かった。白市方面から来て西条で降ろされた人もいれば、何も知らずに来た人もいた。でも運転再開の可能性がまだあるという状況を信じていた。そんなときに耳に飛び込んできたのは「終日運転取り止め」の情報。さて困った。ここでもまた分岐である。
1.タクシーで東広島駅
2.タクシーで瀬野駅
3.三原まで在来で行く
この時点で延泊は頭から消えていた。しかし三原は反対方向だし遠すぎる。さらに西条で折り返し運転をしているためどれだけ時間がかかるかわからない。瀬野までタクシーも遠すぎる上、その先が動いているとは限らない。一番安全なのは東広島駅までタクシーで行ってそこから新幹線に乗るというルートだった。
～～～つづく～～～
